「偏差値が高い学校に行けないなら中学受験をする意味がない」と考える方もいらっしゃるようです。
しかし、中学受験をすることの意味は、偏差値が高い学校に入ることだけではありません。
中学受験には様々なメリットがあると考えています。
偏差値が高い学校の合格以外にメリットがないと考えるのであれば、中学受験はしないことをお勧めします。
中学受験のメリット・デメリットから、詳しく述べていきます。
この記事の主な対象
- 「中学受験で勉強した内容は、社会に出てから何も使わないから、偏差値が高い学校に入ることに意義があるんじゃないの?」という方
- 「偏差値が高い学校に入れなければ、東大などの難関大学に入りやすくなるわけではないから、意味がないのでは?」という方
- 「中学受験は負担が大きすぎるから、偏差値が高い学校に入らないと負担に見合わないと思う。」という方
- 「偏差値が上がってこなければ、そもそも中学受験に向いていないのでは?」という方
中学受験のメリット・デメリット
中学受験をすることには、もちろんデメリットがあります。
勉強をすること自体に、時間的負担や金銭的負担もあります。
受験勉強をしていなければ、他のことに時間やお金を使うことができます。
あるいは、地元の公立中学校に進学できないことをデメリットと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、何事にもメリットもあればデメリットもあるものです。
中学受験にデメリットがあること自体は、問題ではありません。
問題は、「デメリットとメリットのどちらの方が大きいか」です。
価値観は人によりますから、デメリットとメリットのどちらが大きいかも「人による」ということになります。
中学受験のメリットとして、一般的に強調されるのは、中高一貫校の教育環境です。
確かに、特に偏差値が高い学校に入ることができれば、教育環境に恵まれることが期待できます。
優秀なクラスメイトなども含めて、恵まれた教育環境での生活に憧れる方も多いでしょう。
中学受験での勉強で学んだ知識などは、中学・高校では直接的に役立たないものあります。
社会に出てからは、中学受験で勉強した内容を直接使う機会は、全く無い場合も多いです。
偏差値が高い学校に入って、恵まれた教育環境で生活することにこそ価値がある、そう考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、中学受験のメリットは、恵まれた教育環境を手に入れることだけではありません。
どんな学校に入るかというのは、中学受験のメリットの一部にすぎません。
中学受験・その後の大学入試に向けて
中学受験をする際には、その先の大学受験を意識される方も多いでしょう。
中学受験は通過点であり、大学受験に繋がるようにしないと意味がないと考える方も多いでしょう。
そして、大学受験を有利にするためには、偏差値が高い学校に行くことが最善策だと考える方もいらっしゃるでしょう。
偏差値が高い学校に行けば、周りに優秀な生徒がいる環境で過ごすことができますからね。
確かに、偏差値が高い学校に行くことができれば、難関大学に行きやすくなる面はあります。
しかし、中学受験を頑張ったなら、どこの中学・高校に入ることになったとしても大学受験にも繋がります。
中学受験では、中学合格以外にも、大きなメリットを得ることができるからです。
中学受験の合格以外のメリット
私自身は、中学受験で得たものが合格だけなら、何も得ていないに等しいと考えています。
合格して、中学・高校の教育環境や学歴を得ることは、メリットの一部にすぎません。
中学受験においては、多くのお子さんが多くの努力をします。
人にもよりますが、時間をかけて努力をしたのに、得られたものが合格だけでは勿体ないです。
では、合格以外のメリットは、どのようなものでしょうか。
例えば、中学受験の勉強をしていく過程で、勉強の習慣が身に付くことがあります。
勉強の方法や、努力の方法が身に付くこともあります。
目の前に課題が現れたときに、それを解決する力が身に付く可能性があります(課題解決力)。
そして、課題解決の前提として、課題そのものを自分で発見する力も身に付きます(課題発見力)。
完全には身に付かないとしても、課題発見力と課題解決力が身に付く途中で中学生活を迎えることができます。
課題発見力と課題解決力が身に付けば、自分で努力してどんどん成長していけるようになります。
私は、これを「巡航高度」と表現しています。
巡航高度に達すれば、どんな中学に入ったとしても、結果として難関大学にも行きやすくなるでしょう。
そして、それは、難関大学に行くか行かないかに関わらず、社会人になってからも役立ちます。
社会人になっても、課題を発見して課題を解決できれば、活躍することができるはずです。
巡航高度に達すること、あるいは、その途中の過程で上昇して行くこと、これが中学受験の最大のメリットだと感じています。
家庭教師をしている私は、巡航高度に達する手助けができるように意識して指導しています。
課題を自分で解決できるように、課題を自分で発見できるように、その意識で指導することは大切だと考えています。
与えられたものを進めるだけではなく、自分で何が必要か考えられることが理想です。
もちろんヒントは出しますけど、最小限にとどめます。
生徒が問題を解けないときは、解説をするのではなく、生徒が解けるようにギリギリのヒントを出します。
「課題発見」という観点からも、毎回こちらから宿題を指示することはしません。
もちろん、必要な範囲で指示はしますが、最終的には自分で宿題を決められるのが理想と意識しています。
中学受験のメリットは、他にも数多くあります。
「なんとしても公立中学は避けたい」という場合には、私立中学に行けること自体が大きなメリットです。
不登校などの場合は、地元の中学から離れたコミュニティで頑張れるメリットもあります。
また、将来のオリンピック選手などを目指している場合は、スポーツの設備が整った私立はメリットが大きいでしょう。
偏差値が高い学校に入れるのは、中学受験のメリットの一つにすぎません。
しかも、そのメリットを手にすることができるのは、一部の子供たちに限られます。
それに対し、その他のメリットは、中学受験を頑張った子であれば、全員が手に入れることができます。
偏差値が高い学校に入ること以外に魅力を感じないのであれば、全員が手にできるメリットに魅力を感じないということです。
せっかく手に入るメリットに魅力を感じないのであれば、中学受験はしない方が良いです。
お金と時間を使う価値がないと感じるのであれば、お金も時間も使わない方が良いです。
お金も時間も貴重ですから、他のことに使いましょう。
中学受験は負担が大きくて大変!?
中学受験は、負担が大きいというイメージをお持ちの方も多いです。
大きな負担があることが、「偏差値が高い学校に入らないと意味がない」という理由の方もいらっしゃるでしょう。
しかし、「中学受験=負担が大きい」というイメージは不正確です。
中学受験には、様々な形があります。
もちろん、難関校を目指すのであれば、負担が大きくなることが多いです。
しかし、中には少ない負担で合格することも可能な中学もあります。
偏差値が低い学校を目指すことに魅力を感じる方もいらっしゃいます。
友人と遊ぶ時間など、大きな犠牲がなくても私立中学という環境を目指すことができますからね。
中学受験の負担が大きすぎることを嫌うのであれば、負担の小さい中学受験を選択する方法もあります。
私も、小6の秋以降に本格的な受験勉強を始めて、私立中学に合格した生徒も指導した経験が何度もあります。
少ない負担で私立に入ったなら、中学受験で燃え尽きるリスクも低いでしょう。
偏差値が上がらない=中学受験に向いてない?
偏差値が高い学校に入れるぐらいでなければ、中学受験に向いていないと考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、偏差値が上がらないとしても、中学受験のメリットは手に入れることができます。
また、中学受験を回避したとしても、高校受験で大変な道のりが待っているかもしれません。
そもそも、偏差値を上げることは簡単ではありません。
偏差値というのは、相対的な位置づけですから、頑張れば上がるものではありません。
いくら頑張ったとしても、周りがそれ以上に頑張っていれば、偏差値は下がります。
偏差値が横ばいである場合は、頑張っている証拠といえます。
偏差値が下がったとしても、必ずしも頑張っていないことを意味しません。
仮に偏差値が下がっていく場合であっても、適切な方法で頑張れば中学受験のメリットを手にできます。
大事なのは、合格という結果よりも、合格に向けた過程
偏差値が高い学校に入ることに拘る必要はないということは、頑張る必要がないということではありません。
「どこでもいいや」と思って、ダラダラ勉強していれば良いということではありません。
志望校に向かって頑張ることは、尊いことです。
目標に向かって頑張ったからこそ、中学受験のメリットを受けることができます。
入るという結果よりも、目指すという過程が大事です。
結果はどうでもいい、というわけではありません。
私も、家庭教師をしている以上は、生徒の合格という結果はもちろん重視します。
しかし、合格さえすれば手段は問わないというわけではありません。
志望校に向かって頑張ることは大切ですが、「偏差値が高い学校に行けないなら無意味」と考える場合は、注意が必要です。
結果を意識しすぎることにより、お子さんの負担が必要以上に大きくなってしまいます。
仮に偏差値が高い学校に行けたとしても、中学生になってから燃え尽きるのが心配にもなります。
「偏差値が高い学校に行けないなら無意味」と考えるなら、中学受験はしない方が良いです。
もちろん、お子さん自身が、偏差値が高い学校を目指す気持ちがあるのは、素晴らしいことです。
それでも、入試の合否がどうなるか、最終的な結果は分かりません。
仮に偏差値が高い学校に入れなかったとしても、中学受験が無意味になるわけではありません。
目標に向かって頑張った経験は、その後の人生で大きく役立つはずです。
合否がどんな結果になったとしても、中学受験のメリットは失われません。
メリットをメリットと捉えず、無意味と考えてしまうのは勿体ないです。
せっかく頑張っても、その結果が無意味だと考えるぐらいなら、最初から挑戦しないことをお勧めします。
ちなみに、私が小学生の頃は、偏差値が高い学校をいくつも受験しました。
しかし、地元の公立中学も、「志望校」に入っていました。
中学受験の本番を迎える2月1日の前日には、やり切った気持ちが強かったです。
もう私は中学受験のメリットを受けていましたからね。
まとめ
中学受験において、偏差値が高い学校に入れないなら意味がないと考える方もいらっしゃいます。
確かに、偏差値が高い学校に入れることも、メリットの一つかもしれません。
しかし、中学受験には、他にも数多くのメリットがあります。
志望校に向かって頑張ったお子さんであれば、合格以外にも大きなメリットが手に入ります。
様々なメリットがあり、どのメリットがどの程度重要かは、人によります。
合格以外のメリットに、価値を感じないのであれば、中学受験はしないことをお勧めします。
中学受験に向けて頑張った人たちは、結果的にどの学校に進むことになるか分かりません。
どの学校に進んだとしても、努力してきたことは失われません。
積み重ねてきたことは、その後の人生で必ず役立ちます。
どんな結果になっても、胸を張って中学校生活を送って欲しいです。
課題を発見し、課題を解決する力が、少しは身に付いているはずです。
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また、私は家庭教師をしております。
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