中学受験において過去問演習は重要ということは多くの人が意識しているでしょう。
しかし、中には過去問の目的を理解していないお子さんもいます。
私・川口は、中学受験の家庭教師をしていますが、過去問を解くのが単なる作業になっている子も多く見てきました。
単なる作業になっているからこそ、答えを書き写したり、集中して取り組まなかったりします。
せっかく過去問を解くのであれば、目的を理解した上で取り組まなければ意味がありません。
単なる作業として取り組んでも、時間の無駄になるだけです。
目の前に多くの過去問があり、どうやったら終わるんだろうと悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
過去問が終わらないと焦る気持ちも分かりますが、過去問は終わらせることが目的ではありません。
特に、初見の過去問を解くというのは、一度しかチャンスがありません。
一度しかないチャンスを活かすためにも、目的を分かった上で解かないともったいないです。
もう既に過去問を解いてしまった場合であっても、これから新しい過去問に取り組む際に気を付けるだけでも遅くないです。
一度立ち止まって目的を考えて、それから過去問に取り組みましょう。
そうすれば、過去問演習の効果が高まり、演習をするたびに合格に近付いていきます。
そして、過去問に解く際には、解いたら終わりではなく、復習をすることが重要ですね。
過去問演習の効果を高めるためにも、問題を3つに分類することをお勧めしています。
過去問に取り組む2つの目的と、それを実現するために過去問の復習をする方法を述べていきます。
この記事の主な対象
- 「とにかく過去問を進めなきゃ!」という方
- 「過去問は何のために解くの?」という方
中学受験の過去問:演習の目的は2つ
中学受験において、過去問を解く目的は大きく分けて2つあります。
- 傾向を把握すること
- 合格までの距離を測ること
一つずつ説明していきます。
目的①過去問で傾向を把握
1つ目の目的は、過去問に取り組むことによって、出題傾向を把握することです。
出題傾向というのは、問題の分野や難易度、時間配分、記述の量、途中式の有無などです。
例えば、算数であれば、学校によっては図形の問題がよく出ますし、計算問題がよく出る学校もあります。
また、短い問題を中心に構成されている学校もあれば、大問を中心に構成されている学校もあります。
選択問題が中心の学校もあれば、記述問題が多い学校もあります。
記述問題の中でも、100字や200字という大型記述が出る学校もあれば、1行2行の短い記述が中心という学校もあります。
算数の途中式に関しても、途中式を書くことが必須とされている学校もあれば、途中式を書いてあれば見るという学校もあります。
つまり、学校によって出題傾向が偏っているということです。
入試問題は、学校によっては全く異なり、様々なパターンがあります。
偏ったパターンに慣れていなければ、傾向に合わせて勉強していくこともできません。
過去問に取り組む過程で、傾向を把握していき、出題パターンに慣れていくことが重要です。
目的②過去問で合格までの距離を測る
2つ目の目的は、過去問での点数を把握することで、合格までの距離を測ることです。
特に合格最低点などが発表されている学校であれば、自分の得点と比較することができます。
点差によって、合格に近いのか・遠いのか、遠いとしたら何が足りないのか、などが判断しやすくなります。
塾でのテストでも、合格可能性が何%などと判定されるので、ある程度合格までの距離を判断することはできます。
しかし、過去問であれば、実際に過去の受験生との比較することで、合格までの距離が分かりやすくなります。
合格最低点などが公表されていない学校であっても、過去問で何点ぐらい取れそうという判断材料を得ることはできます。
過去問演習を通じて合格に近付く
過去問に取り組む目的は、
- 傾向を把握すること
- 合格までの距離を測ること
の2つです。
そして、傾向と合格までの距離、さらには残された時間などを考慮して、戦略を練ることになります。
どうすれば合格に近付けるかという戦略を立てて、それを実行していきます。
そして、また過去問を解くことを通じて、必要に応じて戦略を見直していきましょう。
サイクルを繰り返していくことで、少しずつ合格に近付いていきます。
合格を確実なものにしていく、これが過去問の大きな意義です。
中学受験の過去問:復習のコツは過去問を3つに分類
過去問の難易度を分析
過去問に取り組む目的を理解した上で、過去問を解いた後には、復習することが大切です。
例えば、過去問を解いたら40点のときに、合格最低点には60点は必要だとします。
「あと20点か」で終わりでは意味がありませんし、全ての問題を同じように復習するのも効率が悪いです。
具体的に、どの問題を正解して60点を取るかということを考えましょう。
「具体的に」というのが重要です。
傾向を把握した上で、どこでどのように得点するか、ということも考えていきます。
過去問を解いた際に復習するのは、間違えた問題が中心になるでしょう。
間違えた問題の中にも様々な問題があるので、大きく3つに分類することをお勧めします。
- 絶対に取りたい問題
- 頑張れば取れるかもしれない問題
- 取れなくても良い問題
分類に迷うこともあるでしょうから、大まかな分類で構いません。
分類した後は、分類が正確にできているかを確認する作業が必要です。
①絶対に取りたい問題の全てと、②頑張れば取れる問題の半分程度、これらを正解して何点になるかを確認しましょう。
そして、合格最低点を上回っていることを確認しましょう。
合格最低点が発表されていない学校であれば、目標点数を上回っていることを確認しましょう。
もし上回っていなければ、合格する可能性がほぼないので、分類を誤っているということです。
分類が正確にできていることを確認したら、分類に応じて復習していきましょう。
優先順位は、「①絶対に取りたい問題→②頑張れば取れるかもしれない問題」の順番です。
「③取れなくても良い問題」は、基本的に復習の必要はありません。
問題を分類し、具体的にどの問題で得点するというイメージを積み重ねていきましょう。
このような作業を繰り返していくことで、入試本番でも、自然に自分で分類しながら解けるようになります。
過去問演習を日ごろの勉強に反映
分類したうえで、過去問で間違えた問題を復習すれば終わりではありません。
中学の入試は、過去問を完璧にするだけで合格できるとは限りません。
過去問に類似した出題がありますが、見たことがないような問題の出題もあり得ます。
過去問で全く出題がされていない分野であっても、実際に受験する際には出題されないとは限りません。
問題を分類して復習してから、日ごろの勉強に反映することも重要です。
具体的には、①絶対に取りたい問題、②頑張れば取れる問題、を取れるようにするということです。
どうすれば取れるようになるか、何が足りないかと考え、仮説を立てて実行します。
あくまで仮説なので、やってみても成果に結び付かないこともあります。
もし上手くいかなければ、仮説を立て直すだけなので、心配はいりません。
入試の本番では、傾向に合わせた勉強をしてきた人の中で合格・不合格が決まります。
きちんと過去問に取り組み、分析をしつつ、勉強に反映することは、合格のための最低条件です。
単なる作業として過去問を解いてきた人は、そもそも勝負の土俵に乗らないということです。
過去問の目的が重要だということは、改めて強調しておきます。
とはいえ、過去問の分析をすることは容易なことではありません。
特に①絶対に取りたい問題、②頑張れば取れる問題、などと受験生が自分で判断するのは難しいです。
判断に迷うことがある場合は、塾に通っている場合は塾の先生に相談するのが一番良いです。
塾の先生であれば、問題の難易度は分かりますし、お子さんの実力も分かっていることでしょう。
様々な要素を考慮した上で、「この問題は取りたい」などとアドバイスしてくれるはずです。
私も家庭教師をしているので、生徒の受験が近づくと実践的なアドバイスをする機会が増えていきます。
まとめ
中学受験において過去問に取り組むことは重要ですが、目的を理解していることが前提になります。
過去問に取り組む目的とは、大きく2つあります。
- 傾向を把握すること
- 合格までの距離を測ること
入試では、学校によって様々な問題がありますから、傾向を把握することは重要です。
そして、実際の受験生と比較することで、合格までの距離を測ることができます。
過去問を解いたら終わりではありません。
問題を分類して、何をどうすれば合格できるかと考えることが大切です。
そのうえで、合格に近付くことを実現するために、日ごろの勉強に反映していきましょう。
過去問を進めるうえで、何か迷うことがあれば目的から考えましょう。
やみくもに努力をすれば合格に近付くということではありません。
努力の方向性を見誤らないためにも、過去問演習を成果に繋げられるような勉強にしていきましょう。
そして、過去問に取り組む際は、解答用紙を実寸大にコピーすることも大切です。
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また、私は家庭教師をしております。
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