算数において、途中式を書かないという悩みはよく聞きます。
どうすれば途中式を書くようになるかは、こちらの記事でも述べました。
私・川口も、途中式を書くことは重要だと考えます。
途中式を書きながら計算していくと、自然に正解に近付いていくのが理想です。
難しい問題を見ただけでは解き方が分からない場合であっても、対処できる可能性が出てきます。
応用力を身に付けるためには、途中式を書くことは必要不可欠ともいえます。
とはいえ、途中式を書いていれば必ず正解にたどり着ける、というわけではありません。
せっかく途中式を書いて、きちんと答えへの道筋を進んでいるのに、止まってしまうことがあります。
もちろん、難問であれば仕方ないこともあります。
しかし、正しい式を書けてもうほとんど正解している状態でも、そこから先ができないこともあります。
中には、もう正解にたどり着いているのに、そのことに気付かない子います。
途中式を書いても、その式で何を求めたのかが分からなければ、正解にたどり着くことができません。
少なくとも、慣れるまでは式で何を求めたかを考えましょう。
具体的な方法を述べていきます。
この記事の主な対象
- 「途中式は書いているのにできない…」という方
- 「文章題になると、全くできない…」という方
- 「同じような文章題でも、できたりできなったりするのは、なんでだろう?」という方
「今何を求めたの?」に答えられない子
例えば、先ほども紹介した記事で用いた、つるかめ算の問題で考えてみましょう。
面積図で解く方法などもありますが、ここでは計算だけで解く方法を考えます。
最初にする計算として最適なのは、4×10です。
問題を見た瞬間に、「4×10=40」という式をすぐに書き始める子は多くいます。
しかし、「今何を求めたの?」と尋ねると、答えられないことも多いのです。
4×10は、「10匹すべてが亀と仮定したときの足の本数の合計」です。
本来であれば、「10匹すべてが亀と仮定したときの足の本数の合計を求めたい」と思って、式を立てるはずです。
何を求めたいか考えて式を立てたのであれば、「今何を求めたの?」には即答できるはずです。
一方、「10匹すべてが亀と仮定したときの足の本数の合計」を求めればいいと分からない子もいるでしょう。
何を求めるのか分からないであれば、手が止まってしまうのが自然です。
ところが、何を求めるかは分からないのに、4×10とすぐに書き出すという、不自然なことが珍しくありません。
何を求めるかを分かっていないのに、すぐに式を立てることができるのはなぜでしょうか。
計算の仕方だけを覚えてしまっているからです。
「足の本数×何匹か」という掛け算をする、と覚えてしまっているからです。
式を立てるのは瞬時にできても、その式で何を求めたかは答えることができないのです。
「今何を求めたの?」が分からないと困ること
「今何を求めたの?」に答えられないと、何が困るでしょうか。
先ほどの例であれば、「今何を求めたの?」に答えられなくても、「4×10=40」の計算はできるということです。
「4×10=40」の計算はできても、何を求めたかが分からないので、次の計算に進めないことが考えられます。
せっかく計算を始めても、途中で止まってしまい、正解にたどり着かないことが起こりえるのです。
それでも、基本的な問題であれば、計算式を全部覚えてしまえばできるかもしれません。
「今何を求めたの?」が分からないと困ることとして、応用が利かないということも重要です。
基本的な問題をしっかり理解していなければ、応用的な問題を解くことはできません。
先ほどの問題を少し変えてみましょう。
50円切手と80円切手を合わせて10枚買いました
金額は全部で620円でした。
50円切手は何枚買ったでしょうか。
鶴と亀が、50円切手と80円切手に変わっただけであって、本質的には同じ問題です。
「全部が80円切手だとしたら」と考えて「80×10」をすればよいことになります。
ところが、「4×10=40」の計算が何の計算かわかっていなければ、「全部が80円切手だとしたら」という発想になりません。
この結果、「つるかめ算の問題だと気付かなかった」ということが起こります。
もちろん応用的な問題が解けない原因は、これだけではありません。
「今何を求めたの?」に答えられないことは、原因の一つになりえるということです。
「今何を求めたの?」に答えられないことの対処法
本来は、「何を求めるか」を考えてから、「4×10=40」などの計算をすることが自然です。
しかし、慣れるまでは、その作業をするのが難しいという子もいます。
いきなり「何を求めるか」を考えるのが難しければ、順番を入れ替えても構いません。
つまり、式を立てて計算したら、「今何を求めたか」を考えるということです。
次の式を立てる前に、一旦止まって考えてみる、この作業を続けていくと、徐々に慣れてくると思います。
いちいち「今何を求めたか」を考えていると時間がかかってしまいます。
最終的には、「今何を求めたか」の過程がなくなるのが理想です。
しかし、それが難しければ、最初は「今何を求めたか」を考える時間を作るのは効果的です。
そのような練習を繰り返して、徐々に無意識に「今何を求めたか」が頭に浮かんでいる状態を目指しましょう。
まとめ
算数の問題を解くときに、式を書くことはできても、「今何を求めたの?」に答えられない子がいます。
答えることができないのは、単に計算方法を覚えてしまっているからです。
何を求めるかを分かっていなければ、解くことが難しいです。
また、仮にその問題は解くことができたとしても、応用的な問題を解くことはできません。
「今何を求めたの?」に答えられるように、まずは、「今何を求めたか」を考える習慣をつけていくと良いでしょう。
そして、「○○を求めたい」と考えて式を立てるということを、無意識にできるようになることを目指しましょう。
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