そろばん・そろタッチは、どちらも計算力や暗算力を高めるためのものです。
そろタッチは、そろばん式の計算をタブレットを通じて身に付けるように開発されました。
そろタッチのベースはそろばんにありますから、基本的な計算方法などは共通しています。
しかし、そろばん・そろタッチで異なる部分もあるので、どちらを選ぶか迷う方もいらっしゃるでしょう。
私・川口は、そろタッチ和泉多摩川校の教室長をしており、そろタッチに取り組むお子さんを見てきています。
また、私自信は、そろばん教室で学習し、東京都大会への出場や、段位への挑戦経験などもあります。
私自身の経験も踏まえて、そろばん・そろタッチを比較していきます。
この記事の主な対象
- 「そろタッチとそろばん、どちらが子どもに合うかな…」という方
- 「子どもに計算をできるようにしたい」という方
- 「そろばんやそろタッチの特徴を知りたい」という方
そろばん・そろタッチの違い
そろばん・そろタッチの違いを、以下の観点から述べていきます。
- 道具(珠算と暗算)
- 計算方法(両手式と片手式)
- 計算力・暗算力の上限と小数
- 個別最適化(データの活用)
- 競技人口(大会や検定試験)
- 継続のしやすさ
- 先生の役割
- 費用
そろばん・そろタッチの違い①道具(珠算と暗算)
そろばんという道具で計算するのに対し、そろタッチではそろばんではなくタブレットを使います。
そろばんは、珠を弾いて計算します。
指先に集中して弾かないとミスが起きるので、指先の集中力も身につきます。
そろタッチは、そろばんを応用したもので、タブレットの中で珠を動かします。
画面をタッチして進めるので、そろばんのような指先の集中力は身につきません。
しかし、そろタッチでは、特許取得の暗算モードなどで暗算力を効率的に鍛えます。
道具の違いによって、習得する計算方法に違いもあります。
珠算はそろばんを使って計算をします。
暗算は、頭の中でそろばんの珠をイメージして計算するもので、頭の中で筆算をするわけではありません。
そろばん教室では、珠算と暗算の両方を学びます。
一方、そろタッチでは珠算は学ばず、暗算に特化しています。
暗算に特化しているので、学習の初期から暗算の練習を始められます。
そろばんの場合は、教室にもよりますが、ある程度珠算を身に付けてから暗算の学習を始める場合もあります。
暗算と珠算を比べると、一般的には珠算の方が圧倒的に高度な内容が計算できます。
暗算は、珠算で計算するのと同じように頭の中でイメージしながら計算するんです。
イメージ力の範囲での暗算に対し、珠算は、イメージ力に頼らず、そろばんという道具を使います。
イメージ力による限界がないので、高度な計算ができるのは当然のことです。
例えば、日本珠算連盟の珠算能力検定試験の1級では、10桁10口の問題が出されます。
一方で、同じく日本珠算連盟の暗算能力検定試験の1級では、3桁10口の問題が出されます。
同じ1級で比べても、珠算と暗算では、大きな差があります。
珠算による高度な計算を重視するなら、そろばん一択で、そろタッチはお勧めできません。
珠算と暗算は別の競技なので、その力を比較しても仕方ありません。
以下では、「そろばんで身につく暗算力」と、「そろタッチで身につく暗算力」という観点から比較します。
そろばん・そろタッチの違い②計算方法(両手式と片手式)
一般的なそろばんでは、片手式で計算をします。
一方、そろタッチでは、世界スタンダードでもある両手式で計算をします。
両手での計算だと、操作する回数が少ないので、身につけば計算スピードが速くなります。
実際に動画でご覧ください。
そろばん・そろタッチの違い③暗算力の上限と小数
そろタッチは、アプリの中にカリキュラムがある範囲で学習することになります。
アプリである以上、問題の難易度には上限があります。
先ほど紹介したような、3桁10口の問題は、カリキュラムを進めているだけでは出てきません。
※ただし、自主的に3桁10口の問題を練習しようと思えば、そろタッチでもできます。
そろばん教室などで、暗算を学習する場合には、上限はないと考えられます。
暗算1級やそれ以上にもなるような、極めて高度な計算をできるようにしたいのであれば、そろばんの方が有利でしょう。
一方で、日常生活や中学受験の算数などで活用したいのであれば、そろタッチで学習できる範囲の暗算力で十分だとも考えられます。
さらに、そろタッチでは、小数は扱いません。
そろばんでは小数も扱いますから、大きな違いです。
ただし、そろタッチで直接小数を学習しなくても、そろタッチで学習したことを応用すれば、小数の計算もできます。
実際に、そろタッチ経験者が、3.14などの計算を暗記に頼らずにスムーズにできていることもあるようです。
そろばん・そろタッチの違い④個別最適化(データの活用)
そろタッチはすべてのカリキュラムがアプリによるデジタル教材です。
間違えた問題を一覧で見ることができ、すぐに復習することができます。
また、先生もリアルタイムで何を間違えたかをいつでもチェックすることができます。
加えて、毎日世界中のお子さんが解いた問題のデータが集まり、自動で最適な問題が出題されるように調整されます。
カリキュラムは、以下の48ステージあります。
それぞれのステージが細分化されている、スモールステップ方式を取り入れています。
何問解いたらステージが上がるかも固定ではありません。
自動で取り組み方に応じてステージも上がるので、自分のペースで取り組めます。
もちろん、そろばん教室でも、データの活用や個別最適化に力を入れている場合もあるでしょう。
しかし、画一的なカリキュラムで、お子さんのペースで進められない場合もあります。
実際に私も、進め方が合わないという苦情を聞いたことがあります。
そろばん教室をお探しの場合は、カリキュラムの進め方がどうなっているかを確認しても良いかもしれません。
そろばん・そろタッチの違い⑤競技人口(大会や検定試験)
そろばんは、そろタッチと比べると圧倒的に競技人口が多いです。
そろタッチも年々人数は増えているのですが、そろばんの歴史の長さも大きく異なります。
そろばんでは、検定試験や大会がとても充実しています。
そろタッチにも検定試験や大会もありますが、大会はそろタッチをしているお子さん同士でのものに限られます。
大会の規模は、そろばんのものと比べるととても小さいです。
具体的には、年に2回のそろフェスと、月に1回のグランプリというのがあります。
ただし、検定試験については、そろタッチ独自のものではありません。
「日本計算技能連盟 暗算検定」と、「フラッシュ暗算検定」を受験することができます。
そろばん・そろタッチの違い⑥継続のしやすさ
そろばんも、そろタッチも、継続することで成果が出ると考えています。
私がそろばんを学習した際も、少しそろばんから離れる期間があると、感覚が鈍っていました。
そろタッチの教室長として生徒を見ていても、数日触らない期間があると、感覚が戻るのに少し時間がかかる印象があります。
そろばん教室の場合は、先生の指導方法によって大きく左右されることになります。
教室によっては、完全に家庭任せになっているという苦情も聞いたことがあります。
そろばん教室をお探しの際は、日々の取り組みを継続するためのサポートも確認してみると良いでしょう。
そろタッチの場合は、アプリの中に、続けやすい仕組みが入っています。
国旗コレクションやアクアパークで、問題を解いていくと、国旗やお魚などが充実したり、アプリ内でメダルがもらえる楽しみがあります。
他にも、ゲーム感覚で取り組めるものが多く、キャラクターも人気で楽しい要素が多くあります。
さらに、毎日更新されるランキングで世界中のお子さんと比較できます。
「クラス結果」でクラスメイトがどの程度進めているかも見ることができます。
そして、日々の取り組みを授業の中でアウトプットすることで、また日々の家庭学習に繋げるというサイクルを繰り返します。
そろばん・そろタッチの違い⑦先生の役割
そろばん・そろタッチでは、先生の役割も大きく異なります。
そろばん教室では、先生が指の運び方などを教えてくれます。
既に述べてきたように、先生のやり方次第では、お子さんに合わないなどの不満が出てくることになります。
一方で、先生がお子さんに合う場合には、とても効果的に進められることも期待できます。
先生が教える以上は、先生によって成果も変わってくるということです。
そろタッチの場合は、先生は基本的に教えません。
タブレットの中で、動画などで教えてくれるので、それに従って進めればできるようになっています。
先生の教え方による差は出ないことになります。
しかし、教室に通うのに先生が教えてくれないことに、不満を持つ方もいらっしゃるようです。
そろタッチの先生の役割は、生徒を褒めたり励ましたりしながら、授業の進行をしてサポートする「ファシリテーター」です。
そろばん・そろタッチの違い⑧費用
そろばん・そろタッチの費用を考える前提として、まず道具の違いがあります。
そろばんを学習する際は、もちろんそろばんを用意することになります。
そろばんも様々なものがありますが、一般的には数千円あれば購入することができます。
一方、そろタッチの学習をする際は、iPadなどのタブレットが必要になります。
Androidや中古もありますが、安い物でも数万円はかかります。
もちろんタブレットは他の用途にも利用できますが、そろタッチのためだけに購入する場合は、大きな費用となります。
そろばん・そろタッチのいずれを選ぶにしても、道具の他にレッスンを受ける費用もあります。
そろタッチ和泉多摩川校の場合は、以下の授業料となっています。
そろばんの場合は、教室にもよりますが、そろタッチより安い月謝の場合も多いです。
ただし、実際には、続ける期間によって総額が変わります。
そろタッチの場合は、平均2年程度で以下の計算ができるようになるというデータがあります。
そろばん・そろタッチの共通点
そろばん・そろタッチの違いを述べてきましたが、もちろん共通点もあります。
詳細を述べていきます。
そろばん・そろタッチの共通点①集中力・記憶力
限られた時間で数多くの問題を解けるように集中することで、集中力が高まることが期待できます。
また、頭の中でイメージしながら計算するので、記憶力も高まることが期待できます。
そろばん・そろタッチの共通点②自己肯定感
そろばんでも、そろタッチでも、それぞれの目標に向けて努力を重ねて目標を達成する経験ができます。
成功体験を積み重ねることで、自己肯定感が身につくことも期待できます。
そろばん・そろタッチの共通点③論理的思考力
そろばん・そろタッチは、あくまで計算を身に付けるためのものです。
計算を身に付けるだけでは、論理的思考力は身につかないと考えています。
しかし、計算を身に付けることで、頭の回転も速くなり、論理的思考力を養うための基盤ができると考えています。
そろばん・そろタッチ共通点④学習適齢期
そろタッチでは、5歳から8歳で開始することを推奨しています。
学習適齢期は、「そろばん・そろタッチの違い」として語られることもありますが、私は基本的には同じだと考えています。
数の概念が分からない段階だと学習が難しいですが、4歳以下のお子さんだと数の概念がまだ身についていない場合が多いです。
一方で、小学校で筆算を学習すると、そろばん・そろタッチと計算方法が異なるので、学習を進めにくくなります。
数の概念が身についており、筆算の学習を始める前の年齢として、基本的には5歳から8歳となるわけです。
もちろん、実際に教室に通う場合には、何歳で受け入れてもらえるかは教室によって変わってきます。
そろタッチの場合では、5歳から8歳だけを受け入れる教室もあります。
和泉多摩川校の場合は、5歳から8歳以外の年齢でも受け入れております。
ただし、5歳から8歳向けのプログラムということをご理解いただくことは前提となります。
まとめ:そろばん vs. そろタッチの違い:どっちがピッタリ?
そろばん・そろタッチは、共通する部分も多いですが、異なる特徴とメリットも持っています。
まず、珠算の力を身に付けたい場合や、指先の集中力を鍛えたい場合はそろばんが適しています。
あるいは、極めて高度な計算までできるようになりたい場合も、そろばんの方が適しているでしょう。
一方、楽しく学ぶことや、データの活用を重視したい場合はそろタッチが適しています。
どちらを選ぶかは、目的などによっても異なります。
迷われる場合は、まずはそろタッチを無料体験してから判断する方法もあります。
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