過不足算は、中学受験でよく出題される特殊算の一つです。
差集め算と過不足算が似ていますから、同時期に学習することも多いでしょう。
何度も繰り返し練習するので、典型的な問題は解けるようになる人も多いです。
ところが、長椅子が登場してくる問題になると、間違える人が続出します。
私・川口も家庭教師をしていて、長椅子に悩まされる生徒を多く見てきました。
そこで、過不足算の長椅子の問題はなぜ難しいかを述べていきます。
その上で、気を付けると間違えにくくなるポイントも述べていきます。
この記事の主な対象
- 過不足算の長椅子に悩まされている方
- 過不足算の長椅子で苦労する人の悩みを知りたい方
過不足算は長椅子が難しい?
長椅子が登場しない過不足算
まずは長椅子が登場しない問題と比較してみましょう。
例えば、以下のような問題です。
リンゴを8個買うと、所持金が200円不足します。
リンゴを5個買うと所持金が100円余ります。
リンゴは1個何円でしょうか。
典型的な過不足算の問題ですね。
いくつかの解き方がありますが、線分図で解く場合を考えます。
まず、リンゴ1個の値段が分からないので、□にします。
リンゴ8個を買うと所持金が不足ということは、所持金の方が200円少ないということです。
そして、リンゴ5個で所持金が余るということは、所持金の方が100円多いということです。
すると、□×8と□×5の差の部分が300円だと分かります。
□×3が300円ですから、300÷3でリンゴ1個は100円です。
1つあたりの数量が分かっていないのが、典型的な過不足算です。
長椅子が登場する過不足算
では、長椅子が登場する過不足算はどうでしょうか。
生徒が、1脚に8人ずつ座ると、3人掛けの椅子が1つできて、椅子が2つ余ります。
1脚に5人ずつ座ると、9人座れません。
椅子の数はいくつでしょうか。
問題文を読んだだけでは、大きな違いには気付かないかもしれません。
よく読むと、「1脚に8人ずつ」、「1脚に5人ずつ」というのが分かっています。
1つあたりの数量は分かっているわけです。
そして、椅子がいくつあるかが分かっていません。
リンゴの問題では、リンゴをいくつ買うかは分かっていました。
つまり、長椅子が登場する問題は、与えられる条件が逆になっています。
与えられる条件が逆になることで、図を描くときに混乱が生じます。
図そのものは、先ほどと似ていますね。
しかし、間違えやすいポイントがいくつかあります。
まず、長椅子の数が分からないので□にします。
□×8、これは座れる人数(座席の数)です。
椅子が余るということは、生徒数の方が少ないということです。
ところが、この「生徒数」は問題文には登場していません。
問題文に登場しないものと比べるという難しさがあります。
そして、3人掛けの椅子が1つできるということは、その椅子にはあと5人座ることができるということです。
この「5人」も問題文に登場しません。
さらに椅子が2脚ありますから、8×2で16人座れるということです。
つまり、5+16で21人分の座席が空いていることになります。
この、「21人」という問題文にない数字を考えるのも、簡単ではありません。
リンゴの問題と比較してもらえば分かりますが、「余る」を図示すると、逆になります。
リンゴの問題では、「余る」場合は、□×5が「短く」なりました。
一方、長椅子の問題では、「余る」場合は、□×5が「長く」なります。
これも混乱を招く一つの原因です。
また、「9人座れません」については、座席の数より生徒数の方が多いということです。
あとはリンゴの問題と同様に進めるだけです。
差の30人が、□×3にあたりますから、30÷3で10脚と求めることができます。
長椅子の問題で気を付けること
長椅子の問題であっても、リンゴの問題であっても、共通することはあります。
きちんと作図ができれば、間違えないということです。
問題が解けるかどうかは、作図ができるかにかかっているといえます。
では、何に気を付けて作図していけばいいのでしょうか。
まず、長椅子の問題では、基本的に生徒の人数を座席の数を比較します。
そして、「余る」は「長い」、などと丸暗記してはいけません。
生徒の人数と座席の数のどちらが多いのか、その都度考えるようにしましょう。
多い方を長くする、これが鉄則です。
生徒の人数と座席の数を比べると、さきほどの問題の「21人」のように、問題文にない数字を使う場合があります。
生徒の人数と座席の数の比較したら、どちらがいくつ多いかも考えましょう。
座席の数の方が多い場合は、「あと何人座ることができるか」と考えることが大切です。
まとめ
過不足算では、様々な問題があります。
中でも、多くの受験生を悩ませるのが長椅子の問題です。
与えられる条件が逆になるからです。
与えられる条件が逆になると、作図も逆になる部分があります。
また、問題文にない数を自分で考えて作図する必要もあります。
長椅子の問題で苦労すること自体は仕方ないことです。
しかし、長椅子の問題では、きちんと気を付ければ間違えにくくなります。
まずは、気を付けるポイントを見ながら問題を解いても構いません。
そして、練習して、見なくても自分で意識して間違えないようにしていきましょう。
その上で、意識しなくてもできるようになっていけば理想的ですね。
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また、私は家庭教師をしております。
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