分数の大小の見分け方は、分数を初めて学習する頃から、多くの問題に出会います。
ところが、5年生や6年生になっても、分数の大小が見分けられない子は珍しくありません。
また、分数の大小比較は、テストの序盤に出題されることも多く、短時間で正解することも望ましいです。
中学受験の算数においても、分数の大小を見分けることは重要です。
分数の大小を見分ける方法を述べていきます。
分数の大小比較には、様々なパターンがあり、難易度にも差があります。
難易度の低いものは、分数の定義から出発すればできますが、難易度の高いものは工夫が必要です。
以下の順に分けて説明していきます。
- 分母が等しい場合
- 分子が等しい場合
- 応用編(分子も分母も異なる場合)
応用編には、4つの解き方があるので、全部で6つのパターンがあります。
分数の大小の見分け方【分母が等しい場合】
1/7と2/7は分母が等しい分数ですね。
これらを、図で表すと以下のようになります。
1/7とは、7つに分けた場合の1つ分という意味です。
そして、2/7は、2つ分という意味です。
1つ分より2つ分の方が大きいですよね。
分母が等しい場合は、分子が大きければ大きいほど大きい分数になります。
分数の大小の見分け方【分子が等しい場合】
それでは、分子が等しい場合はどうでしょうか。
先ほどと同様に、1/7と1/8を図で表してみます。
1/7は、7つに分けた場合の1つ分です。
1/8は、8つに分けた場合の1つ分です。
1つ分というのは同じでも、分ける回数が増えると、1つが小さくなりますね。
分子が等しい場合は、分母が大きければ大きいほど小さい分数になります。
分母が等しい場合と逆の関係になるので、間違えやすいです。
間違えないように注意しましょう。
分数の大小の見分け方【応用編】
分母も分子も異なる場合は、小数に変えて比較する方法があります。
小数に変える以外の方法としては、分母または分子を等しくすることになります。
分母または分子を等しくする方法にも、複数の方法があります。
主な方法をまとめると、以下のとおりです。
- 小数に変える
- 通分して分母を揃える
- 分子を通分のように揃える
- 約分して分子を1に揃える
一つずつ説明していきます。
一つ目の方法は、小数に変える方法です。
例えば、1/4と2/9を比べる場合は、1/4を0.25に変えて、2/9を0.222…に変えると大小が比較できます。
しかし、小数に変えにくい分数が出題されることも多いです。
二つ目の方法は、通分して分母を等しくする方法です。
分母が等しくなれば、分子の大きさに注目するだけで大小が分かります。
21/28と20/28では、21/28の方が分子が大きいですね。
3/4の方が5/7より大きいということになります。
ちなみに、「3/4と5/7のどちらが大きいですか」という問題で、「21/28」と答えて不正解になる子もいます。
解答欄に書く分数は、問題文で与えられた選択肢から選ぶように注意しましょう。
三つ目の方法は、分子を通分のようにする方法です。
分母が31と47の場合は、通分すると複雑な計算をすることになります。
このように通分が複雑な場合は、分子を揃えることで、分母の大きさに注目すると大小が分かります。
18/93と18/94では、18/93の方が分母が小さいです。
6/31の方が9/47より大きいということになります。
最後の方法は、約分して分子を1に揃える方法です。
19/181と23/218のように、分母も分子も大きい数字の分数の場合は、通分も分子をそろえるのも大変です。
約分して分子を1に揃えることで、大小を比べることができます。
しかし、19/81も23/218も、本来は約分することができません。
そこで、分母が小数になるように、無理やり約分をします。
181を19で割ると、約9.52(切り捨て)になるので、19/181は1/約9.52になります。
同じようにすると、
となります。
分子が等しくなれば、分母の大きさを比べることで、大小を比較することができます。
9.52の方が大きいですから、分数としては23/218の方が大きいということになります。
まとめ
分数の大小を比較する場合は、まずは分母が等しい場合と分子が等しい場合が基本的な問題です。
分母が等しい場合は、分子が大きければ分数も大きいです。
しかし、分子が等しい場合は、分母が大きければ分数は小さくなるので注意しましょう。
分母も分子も異なる場合は、やや応用的な問題です。
分母も分子も異なる場合には、まず小数に変えて比較する方法があります。
小数に変えるのが難しい場合は、分母を揃えるか、または分子を揃えることになります。
分母を揃える方法は、通分する方法です。
また、分子を揃える方法も、通分のようにする方法があります。
それでも難しい場合は、無理やり約分して、分子を1に揃える方法もあります。
特に分母も分子も異なる場合は、いくつも方法がありますが、臨機応変に選びたいですね。
方法を選ぶ力を身に付けていくには、問題を解いて慣れていくしかありません。
たまたま最適な方法で解けたのでは満足せず、できれば、「どうしてその方法で解いたか」というところまで確認したいですね。
ちなみに、「分母」と「分子」という言葉、間違えてしまう子も多いですよね。
私は、ドラえもんの本で、ジャイアンのママ(母)がジャイアン(子)を下から持ち上げている絵を見てから間違えなくなりました。
今でも、「分母」と「分子」という言葉を考えるときは、ジャイアンの絵を頭に思い浮かべます。
間違えてしまう子は、このような絵をイメージすることをお勧めします。
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