中学受験の大手塾では、小学4年生の頃から、「分配法則」の学習をします。
分配法則とは、以下のようなものです。
3×5+3×15=3×(5+15)=3×20=60
同じ数の計算をまとめて計算するときに使います。
分配法則は、4年生のうちは、基本的に計算問題でしか出題されません。
分配法則ができないと、計算問題で困るとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、分配法則は計算問題だけで使うわけではありません。
5年生以降は、分配法則を使う機会が増えていきます。
分配法則が重要な理由を説明していきます。
この記事の主な対象
- 「分配法則が使えないと、計算問題ができないだけ?」という方
- 「答えが合っていたら、分配法則を使っていなくてもいいの?」という方
- 「単なる計算問題の勉強に時間を使うのはもったいないなぁ…」という方
分配法則が重要な理由
分配法則を使うことができないと、単に4年生の計算問題が解けないだけではありません。
冒頭に例として挙げた「3×5+3×15 」という問題で考えてみましょう。
もし、分配法則を使わないと、「3×5+3×15 =15+45=60」となります。
一方、分配法則を用いる場合は、「3×5+3×15=3×(5+15)=3×20=60」です。
比較してみると、少し計算が楽になっているものの、大きな差はないようにも思えます。
大きな差が無いのであれば、「頑張って分配法則を身に付けなくてもいいんじゃない?」という疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
テストで答えが合っていたら、分配法則を使っていなくてもOKと思う方もいるでしょう。
確かに、小学4年生の段階では、そこまで大きな差はありません。
分配法則を使えなくても、ある程度の計算問題はできてしまいます。
多少時間がかかったり、正確性が劣ることがあっても、計算することはできてしまいます。
分配法則が理解できなくても、4年生のうちは困らないわけです。
ところが、分配法則は、5年生以降でも使っていきます。
5年生以降では、4年生までと異なり、計算問題以外でも使うことになります。
もちろん特殊算などの計算で使うこともありますし、図形の問題で使うこともあります。
5年生以降で、分配法則が身についていないと、大きな差がつくことがあります。
とはいえ、5年生になると、勉強の内容がどんどん難しくなっていきます。
分配法則が理解できていないとしても、4年の内容に戻って学習していると、時間がかかってしまいます。
できるだけ4年生のうちに簡単な問題から身に付けておくことを目指しておくのが重要です。
もしテストで答えが合っていても、分配法則を使っているか否かは確認することが望ましいです。
正解だとしても、分配法則を使っていなければ、きちんと復習しましょう。
分配法則ができないと5年生以降で困る
もし分配法則を使うことができないと、具体的にどのように困るのでしょうか。
5年生以降では、円や扇形の問題が増えてきます。
円や扇形の問題では、円周率を使います。
円周率は、3.14とされることが多く、小数の掛け算などをすることになります。
分配法則を使うことができないと、小数の掛け算を何度も強いられることになります。
例えば、以下の図形の色がついた部分の面積を求める場合を考えてみましょう。
半径5cmの円の中に、半径4cmの円が含まれています。
なお、円周率は3.14とします。
円の面積は、半径×半径×円周率で求まります。
この問題の場合は、5×5×3.14-4×4×3.14で求めることになります。
分配法則を用いない場合は、5×5×3.14という計算と、4×4×3.14という計算をします。
とてもややこしい計算になり、時間がかかるだけでなく、ミスが起きやすくなります。
一方、分配法則を使えば、(5×5-4×4)×3.14=(25-16)×3.14=9×3.14となります。
3.14の掛け算が1回で済みますし、計算が楽になっています。
他にも、例えば過不足算でも分配法則の考えを使います。
上記記事では、「□×8」と「□×5」の差を「□×3」としています。
□×8-□×5=□×3というように、分配法則の考え方を使っています。
詳しくは上記記事をごらんください。
分配法則を使うことができるか否かは、5年生以降に大きな差になります。
計算ミスが多くて悩んでいる方は多くいますが、分配法則は、計算ミスを減らす一つの方法でもあります。
まとめ
分配法則は計算の工夫の一つの方法です。
4年生の段階では、主に計算問題で使います。
しかし、分配法則ができないと、計算問題ができないだけではありません。
5年生以降になると、図形の問題で分配法則をよく使います。
図形だけでなく、特殊算でも使っていきます。
もし分配法則を使わないと、計算に時間がかかるだけでなく、ミスも増えます。
ところが、5年生以降になってから分配法則を勉強するのでは、時間がかかります。
できるだけ、4年生のうちに、分配法則を身に付けることと目指しましょう。
そのためには、テストなどで、正解したかだけではなく、分配法則を使えたかどうかまで確認できるのが望ましいですね。
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