算数では、文章題において自分で図を書きながら考えることがあります。
特に、面積図や線分図を書いて考える問題は多いです。
例えば、平均や、つるかめ算などで、面積図を書く方法があります。
また、和差算、過不足算、年齢算などで、線分図を書く方法があります。
他にも、面積図や線分図以外の図を書くこともあります。
どのような問題でどのような図を書くかは、人によっても異なります。
一つの問題であっても、様々な解き方があることも多いです。
「この問題では必ず〇〇図を書かなければならない」ということはありません。
しかし、もし図を書くのであれば、気を付けたいポイントがあります。
図を書く際に気を付けることは、「問題の数値をすべて書き込む」ということです。
例外もありますが、「すべて書き込む」というぐらいの意識が重要ということです。
なぜ、問題の数値をすべて書き込むことが重要なのか、図を書く目的を含めて述べていきます。
この記事の主な対象
- 「面積図や線分図が書けなくて困っている…」という方
- 「面積図や線分図は書いているのに、なんでできないんだろう…」という方
- 「図を書いて考える問題のときに限ってミスが多い」という方
- 「図を書いてから解くのに時間がかかりすぎて、どうにかならないのかな?」という方
作図の目的
算数の文章題において、面積図や線分図などの図を書くのは、具体化・具現化するためです。
算数の問題文は、抽象的です。
なぜなら、算数の問題文には文字や数字しかないからです。
文章中に「100円」と書かれていても、それは、「100円」という金額ではなく、「100円」という文字としか読み取れない子もいます。
読み取れることはできたとしても、少し考えないとできない子もいます。
問題分で与えられているのは、抽象的な文字や数字ですが、実際の算数は具体的な数量を考える問題です。
抽象的な文字や数字を、具体的な数量に変換する必要があります。
「100円」と「200円」のどちらが多いかと尋ねられて、数秒悩む子もいます。
「100円」という文字と、「200円」という文字だけでは、数量が多いか少ないかは分からないからです。
「100円」という文字から、100円玉1枚分の金額だと考える必要があります。
そして、「200円」という文字から、100円玉2枚分の金額だと考える必要があります。
もちろん慣れれば簡単にできることです。
しかし、実際の算数の文章題では、複雑になることもあります。
複雑な文章であったとしても、単なる文字や数字を、具体的な数量に変換するツールとして、作図は役立ちます。
具体的な例を考えてみましょう。
Aさんは、今まで何回かテストを受けたところ、平均点が70点でした。
次のテストで90点を取れば、平均点が72点になります。
次のテストは何回目のテストでしょうか。
この問題は、様々な解き方がありますが、面積図を使って解くことができます。
そして、面積図を実際に書くと、このようになります。
図を書くことで、「次のテスト」を受けると長方形が増えることが分かります。
「次のテスト」を受けることで面積が大きくなる、つまり、合計が増えることが分かるということです。
問題文を読んだだけで、合計が増える問題だと分かる子は、図を書く必要はありません。
しかし、問題文を読んでもよく分からない子は、図を書くことによって分かります。
他にも、面積図は様々な問題で使うことができます。
問題文を読んでよく分からかった初見の問題であっても、手を動かして図を書いてみると、見たことがある図ができあがります。
面積図を書くことで、全く別の問題に見えていた問題が、実は同じような問題に見えることもあるということです。
まずは目的意識を持って書くことも大切です。
そのうえで、この目的を実現しやすくするために、問題の数値をすべて書き込むことが重要になります。
図には問題の数値をすべて書き込む
図を書く目的は、具体化・具現化するためです。
問題文にある情報を、図に変えていくことによって、解きやすくなります。
問題文だけでは分かりにくい場合に、問題文から必要な情報を切り取れば、問題文から離れて解くことができるということです。
問題文から必要な情報を切り取るという観点からは、図には問題の数値をすべて書き込むことが重要です。
図に問題の数値をすべて書き込んであれば、図を使うだけで正解にたどり着くことができます。
問題文から離れて、図と向き合うだけでよくなるということです。
一方、図に問題の数値が書かれていない部分があると、図だけでは正解にたどり着きません。
図を使って計算しても、「この数値はなんだろう」と思って、再び問題を見て図に戻ることになります。
図と問題を往復すると、時間がかかるだけではなく、ミスも起こりやすくなります。
図を用いるのであれば、図と問題を往復する回数をできるだけ減らすことが重要です。
時間も短縮になりますし、ミスも減ります。
図と問題を往復する回数を減らすためには、図に問題の数値をすべて書き込むことが重要です。
そうすることで、「図を見ただけで自然に答えにたどり着く」という理想形を目指すことができます。
先ほどの図をもう一度ご覧ください。
そして、問題文は、
Aさんは、今まで何回かテストを受けたところ、平均点が70点でした。
次のテストで90点を取れば、平均点が72点になります。
次のテストは何回目のテストでしょうか。
です。
見比べてみると、問題文にある「70点」、「90点」「72点」、という数値が図にすべて書かれていますね。
さらに、加えて「何回か」に当たる「□回」、「次のテスト」に当たる「1回」と、書き込んであります。
必要な情報を書き込んでいくことが大切です。
まとめ
算数の文章題において、面積図や線分図を書くことがあります。
面積図や線分図を書く目的は、問題文における抽象的な文字や数字を、具体的な数量に変えることにあります。
一見よく分からなかった問題も、図を書くことで解き方がすぐに分かることも多いです。
目的を実現するためには、問題文の数値をすべて図に書き込むことが重要です。
図と問題文を往復する回数を減らし、図と向き合うだけで自然に正解にたどり着くのが理想です。
具体的な図の書き方は以下の記事をごらんください。
図を書く手順に加え、図を書くことで自然に答えにたどり着くことも説明しています。
線分図や面積図は、使いこなすことができれば、楽に解ける問題が増えていきます。
問題文の数値をすべて書き込むというのも、意識して練習しないと、すぐにできるものではありません。
しっかり図を書く練習をしていきましょう。
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